騎士と姫君




ふだんはものすごく人当たりの良い性格なのだけれど、

「 写真だけは ノォサンキュウ!!」 ・・・な、美女。




そんな猫の話。






彼女と初めて出会ったのは、一昨年のクリスマス。
日頃好んで通る、とある裏道に ひょっこり と姿を現した。

「 うわ~、なんとキレイな猫じゃ・・・」 まるで 高級なぬいぐるみ みたいだ!

真っ白い毛皮に、おいしそうなクリーム色の縞もよう
ふかふかの毛並み、コロコロとした幸せそうな体格、瞳は金色・・・
そしてこれまたふかふかの、きれいな縞々の入った長いシッポ!!

あちこちで猫を追いかけ回してきて、顔が 「 かわいい 」 とか性格が 「 かわいい 」 とか
そういう猫にはたくさん会えたけれど、
「 美しい!」 とまで思う猫には、そうそうお目にかかれない。
( 猫もヒトも同じってことだな・・・笑 )

何としても撮りたいッ!!
そう思ってカメラを向けたとたん・・・
それまで無防備に猫座りしていた塀の上から ぴょーん と飛び降りると
一軒のお宅の庭へと逃げ込んでしまった。


ががーんっ。


しかしこのまま逃がすには、あまりにも大きすぎる魚・・・もとい、美しすぎる猫!
不審者丸出しで、そのお宅の周りをウロウロ、お庭をジロジロ。
すると・・・いるのである! 
カメラを向けるには ちょ~ど不都合なあたりで、のんびりくつろいでいる。

撮りたいけど撮れない、だけどこのまま立ち去るのは惜しい、惜しすぎるっ!
とりあえずカメラをポケットにしまい、未練がましいまなざしを向けていると・・・トコトコトコ。
なんと、こちらに歩み寄ってくるではないか!!
しかも ものすごくフレンドリー! すりすりすりすり。
んもぉ~触り放題撫で放題、ウハウハ状態である!
仰向けになってゴロンゴロンするものだから、性別までわかってしまった (笑)



こんなにもフレンドリーな彼女と、その後も数回出会えたにもかかわらず
未だ まともな写真を撮らせてもらえたためしがない。
会えば必ずすり寄って来てくれるのだが、カメラを向けたとたんに逃げてしまうのだ。
嫌がられてるのに懲りないワタクシもワタクシだが、それほどの美女なのだ!
愛猫家の皆さま、どうか大目に見ていただきたい!



さてさて。 今年の初・ネコシャの日、久々に彼女に出会うことができた。
もう最初からカメラを手にしていたため、目が合ったとたんいきなり逃げられた!
しつこく追いすがり、なんとかシャッターを切っていると
にゃ~お にゃ~お・・・
う~ん、やっぱり声もかわいいですなあ~♪ などと、おっさんっぽく悦に入っていると
ちゃかちゃかちゃか・・・
おっと来た来た! “ ナイト ” のお出ましである。


この “ ナイト ” の存在に気付いたのは、美女猫と初めて会ったその日である。
突然フレンドリーになり、足下で仰向けゴロゴロしている姿を撮らせてもらおうと
ポケットからカメラを取り出したとたん、美女猫はガバッと起きあがり
ワタクシには目もくれず、また別のお宅の庭へと入って行こうとするではないか!
オーマイガー!! ちょっと待っておくれよ、ベイベー!
なおも追いすがるワタクシの行く手を、茶色い物体が ずいっ と遮った。

おっきな ゴールデン・レトリーバー だ!!


ぎゃーーーっ!!(汗)


幼少の頃、犬に思いっきり追いかけられ、大泣きしながら逃げ帰った時以来、
ワタクシは正直、犬が チト苦手 なのだ!
今ではだいぶ慣れたものの、相手は大型犬である。
しかもゴールデンといえば、いつもバリバリ元気な あばれはっちゃく で、
飼い主さんに飛びついたり押し倒したりしている犬ではないか!!
( ※ あくまでもイメージです。 つか、御近所のゴールデンはみんなこんな感じなのだ!)

そのゴールデンが、鎖に繋がれることもなく、ワタクシの目の前にっ!!・・・
本来なら失神しそうなシチュエーションだが、目の前のゴールデンは物静かである。
びくびくしつつゴールデンを観察すると、どうやら飛びついてきそうな気配は感じられない。
ただ、じっと、静かなまなざしでこちらを見つめているだけである。
もしかしたらけっこう高齢なのかもしれない。
「 これは・・・襲われる心配はなさそうだな・・・」 そう判断したワタクシは、
再び美女猫のほうへと足を向けた。 するとまた・・・ずいっ と間に割って入る。

その時は 「 ううむ、こやつは要するに “ かまわれたがり ” なのだな?!」 と思った。
猫よりも自分をかまえかまえ!とアピールしているのだと思った。
しかしその後も同じことをくり返すうち、そうではないのだと気付いた。
美女猫にカメラを向けると逃げる。 なおもしつこく追うと 「 にゃ~お 」 と助けを求める。
アスファルトに ちゃかちゃか と足音を響かせながらゴールデンがやって来る・・・

これはまさしく、姫君を守るために馳せ参ずる “ ナイト ” のようではないか!

しかもこのナイトはたいへん紳士的で、
「 おのれ!姫に何をする!? おりゃあ~っ!」 などと、闇雲に突進してきたりはしない。
そっと近寄り、静かなまなざしを向けながら
「 どうか、わたくしに免じて姫をそっとしておいてくださいませんか?」 と語りかけるのだ。

・・・ナイトというより “ じいや ” か “ 執事のセバスチャン ” に近いような気もするが(笑)

とにかく両者の間には、何か深い心のつながりがあるように思えてならない。
なんとも心あたたまることである。



だからといって追っかけはやめないけどね(笑)



ちなみに、このゴールデン氏の名前は “ リッキーくん ” と言うらしい。
バス通りからはずれた、車両の通り抜けもできない細い裏路地に建つ家々の間で
鎖につながれることなく気ままに暮らしている年老いたゴールデン・レトリーバーに
御近所の方であろう、みんな気さくに声をかけてゆく。

今はまだ、おっかなびっくり接しているワタクシだが、
いつかこの、心優しいナイトとも仲良くなりたいなぁと思っているのである。









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ひひひ姫っ!そんなお戯れをっ!(汗)
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by cheshire456 | 2005-01-07 14:43 |


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