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ふるさと

ワタシがかつて通った小学校が、廃校になるらしい。

少子化続きの昨今である。
充分予測できることではあったし、珍しいことではないのかもしれない。
しかしそれが 我が母校の話 となると・・・
少なからず心穏やかでいられないのが 人情 というものであろう。

卒業してからウン十年、廃校になると聞くまで特に思い出すこともなかった。
前を通ることがあっても足を止めることもなく、ただ通り過ぎるだけだった。
それは小学校にかぎらず、中学・高校に対しても同じことで、
ワタシは 「学校」 というものに対して、驚くほど思い入れが無かったのだ。
それでも “ 無くなってしまうのだ・・・” と思えば気持ちは騒ぐ。
なんとも勝手な話である。

やはりワタシがバカなのか、それともこれも方向音痴のさだめなのか、
今となっては校舎の内部構造をまったくといっていいほど思い出せない。
昇降口から一歩入ったその先は、どこに階段があったのか?保健室は?職員室は?
音楽室は?図書室は?理科室は?・・・
それらが存在したことや、その場その場での思い出はうっすらとあるものの、
位置関係がまるでわからない。

むしろ、校舎以外の記憶のほうが、妙に鮮明だったりする。
校庭のスプリンクラーが描く水の放物線の下を、夢中になってくぐって遊んだ。
同じように水の下に駆け込んできた子と ガチンコ正面衝突 をしてしまい、
夜でもないのに星を見た のもあの時だ。
給食室の裏手になぜか積み上げてあった古タイヤの山を 秘密のアジト にして、
色々な雑草と水を詰めた瓶を “ 魔女の薬 ” と呼んで隠し持っていたり、
校庭のすみっこから、欠けた茶碗や錆びた鍵を掘り起こす “ 発掘ごっこ ” に興じたり、
桜の木の下で ビーバーエアコンの歌 を歌ったり・・・
(↑この歌を口ずさめるアナタ! けっこーいい歳だろう! 間違いないッ!)

・・・思い出せば出すほど、ろくなことしてないな (苦笑)

ああ、それと。
今、誰かに話しても 笑いがとれるネタ がある。
自称・いちばんの親友同士で、クラスの女子のリーダー格 (←軽く ((笑))
だったハナちゃんとアヤちゃんが、ある時、どういう理由からかケンカをした。
口もきかない、目も合わせない2人を前に、なぜかクラスの女子全員までもが
まっぷたつに割れてしまったのだ!
すなわち ハナちゃん派アヤちゃん派 である (←かなり失笑)
派閥が出来上がった日の放課後、ハナちゃん派のカオルちゃんが忍び寄ってきて
「 アナタはどっちの味方?! 」 と、ハナイキ荒く問いつめてきた。
この事態を、内心 『うわ~、くそばかばかしぃ~!』 と思っていたワタシ・・・
「 え。 別にィ~、どっちでもないケド?」 ←昔からこういう奴であった。
ワタシの答えにどこか不満げな態度で、カオルちゃんはこう言い放った。

「 ふーん・・・じゃあいいけど、 スパイだけはしないでねっ!

すすす、すぱい~?! スパイはしないでね、だって~~~!
あーっはっはっはっ!! あっほくさぁ~~~!! (( 大笑 ))
大真面目な顔で立ち去るカオルちゃんの背を見つめながら、心の中で大爆笑した。
幸い、それが原因で仲間はずれにされるということもなく、
間もなくハナちゃんとアヤちゃんの和解と同時に、派閥も解散した。
女の子ってちょっとバカだな~と思った11歳の春であった・・・



ううむ、忘れていたつもりでも、一つ思い出せば芋づる式に出てくるものである。
ワタクシにも多少は 愛校心 があったということだろうか?

さて、普通に考えれば
小学校が廃校になるということは、近い将来 中学校も廃校になる ということである。
ふるさと、とも言うべき母校が、やがては一つも無くなるのかもしれない。
それはやはり、切なく 寂しい・・・




ふるさと_b0041894_12502588.jpg

昔から通り抜け禁止だった裏門。
階段を登り切ると、桜の古木があった。

せめてあれを、もう一度見たいものだなぁ・・・
by cheshire456 | 2004-10-29 12:50 | 日々のあれこれ


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